『加藤一二三の3手詰め』について
加藤一二三さんはA級在籍36期、独特のキャラクターが魅力で、一時期、テレビなどにも多数出演されていた将棋の元プロ棋士です。
この『加藤一二三の3手詰め』には、加藤さん自ら作成された3手詰めの詰将棋が202題、収録されています。
ちなみに加藤さん、プロ棋士としての長いキャリアの中で、もっと手数の長い詰将棋はいくつも作成してこられていますが、3手詰めの詰将棋の出版は初めてだそうです。
以下、一応、全部解かせていただいての感想です。
収録作の難易度などについて
初心者が基本的な詰ませ方を身につけるための詰将棋より上(=難しめ)ですが、超難問的なものはないといった印象です。
基本的な詰ませ方は身についたから、なにか一冊、3手詰めの作品集をクリアしてみたい、といった方によいのではないでしょうか。
もちろん初心者でなくとも、易し過ぎず難し過ぎない3手詰めの作品集をぷちぷちと解いていきたい、といった方にもおすすめです。
収録作の傾向としては、いわゆる「詰将棋のための詰将棋」といった印象で、将棋の実戦でお目にかかることは少なそうな初期配置の問題が多めの印象です。
ただ、何と言いますか、お会いしたことはないのですが加藤さんの人柄がそのまま反映されているように感じる問題が多く、個人的には、頑張って全問やってみよう、と思わせてくれる詰将棋本でした。
本の構成・内容について
本の構成としては、左ページの上下に1題ずつ計2題、めくった裏にあたる右側のページの上下にそれぞれの解答、といった形式になっています。
内容は「はじめに」と「詰将棋のルール」が1ページずつで、あとはすべて詰将棋となっています(コラムの類はありません)。
将棋の駒の動きなどに関する情報はありませんので、駒の動かし方や成りなどについてあらかじめ理解されている方が対象の詰将棋本といえるでしょう。
加藤一二三の3手詰め 詰将棋202題 (将棋パワーアップシリーズ) [ 加藤一二三 ]
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