愛猫が年をとれば別れの時もやってくる……(漫画『ある日とある日ととある日のクル』)

【どんな内容?】

漫画『ある日とある日ととある日のクル』は、漫画家 竹本泉が、自身の愛猫 クル(※推定20歳)との何気ない日々をつづるネコ漫画のシリーズ4冊目……だったのですが、連載途中でクルの病気が発覚(※リンパ腫と慢性腎不全)。

その後、クルが亡くなってしまったため、普通であれば連載終了となるところだったのですが、

竹本さんしだいですが よければ つづけてください

そういうことも 必要かと 思います ペットを飼う以上

なので 描いてください

との編集サイド(あーさ さん)の意向もあり、本書の半ばからは(当初の予定とは異なり)死に至るまでの日々や亡くなった後のことなどが主な内容となっています。

 

【インプレッション】

作者の竹本泉は愛猫家で、過去、何度か別れを経験しています。クル自身も猫としては高齢でしたので、悲しい思いはありつつも、比較的、淡々としたトーンでつづられています。

また、愛猫との日常漫画のはずだったのが予想外に病気が判明してしまい――というのが連載の途中の回で突発的に入ってくるところが逆にリアルで、最初から愛猫との別れを描くことが目的で描かれた作品とはまた違った印象を受けた一冊でもありました。