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2023年10月の「NHK将棋講座」(※Eテレ「将棋フォーカス」内)で紹介された坂田流向かい飛車(講師は糸谷哲郎八段)(※段位は記事執筆時、以下同)。
講座では、棒金を主体とした変化球的な奇襲戦法として紹介されており、それは確かにそうなのですが、実は元々は持久戦系の戦法だったようです。
小林健二九段の著書「振り飛車奇襲戦法2」に記載があったのですが、角交換を3三金と取る形から、駒組みの中で3二金と引き、以下、4三銀、3三桂と進めるのが阪田流向かい飛車の原型だったのだとか。
同書の記述によりますと、
第5図になれば戦いにならず、低い布陣で長期戦に持ちこむことになる。つまり、阪田王将が好む力戦の手将棋で戦うことになる。(9ページより)
とのこと。
こちらの展開は、奇襲戦法とはまったく逆に、どちらも手が出しにくい将棋になるそうですが、阪田流向かい飛車への理解を深めたり、幅を広げるためにチェックしてみるのもよいかも知れません。
※同書では他に、奇襲系の阪田流向かい飛車として
- 阪田流+筋違い角型
- 阪田流棒金奇襲(5二金型)
- 阪田流棒金奇襲(5二玉型)
そして阪田流以外に
- 奇襲袖飛車
- 相振り奇襲
が紹介されています。
(※表記について:「さかたりゅう」の表記は、坂田流、阪田流の両方あり、どちらかに確定しておりません。紹介された番組、書籍での表記に準じています)。