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写真集「アイム Snapshots taken by homeless people.」とは
「アイム Snapshots taken by homeless people.」は、いわゆるホームレス的な方たちに使い捨てカメラ(※「写ルンです」)を渡して自由に写真を撮ってもらう、という、ユニークなコンセプトの写真集。
フィルム写真ならではの雰囲気や質感と、各撮影者の視点や身近にあるものなどが素直に表現されているさまが、なかなかに印象的な写真集でした。
構成について
構成的には、まず、撮影された写真が撮影者別に順番に掲載されており、すべての写真の掲載が終わった後の巻末に、各撮影者にインタビューした内容をまとめたもの(※これまでの人生や撮影意図、撮影しながら感じたこと、今の心境など)が写真の掲載順と同じ順番に掲載されています。そして一番最後に、フォトジャーナリスト安田菜津紀による解説が掲載されています(※「解説」といっても個別の写真などに関する解説ではなく、寄せる言葉的な感じです)。
読み方について
普通に前から順番に読んでいけばよいとは思いますが、どんな方が写真を撮っているのかが気になるという方は、おひとり分の写真を見終わるごとに巻末の個別インタビューの内容を確認してみるとよいでしょう。
また、最初に総論的な感じでとらえてから写真を見ていきたいという方は、巻末の解説を最初に読んでおくとよいかも知れません。
感想
いろいろなものへの距離感や、各地域で生活し慣れているからこその思わぬ角度からの視線など、印象的。
また、巻末のインタビューを読むと、それぞれの人生や状況があってそこに至っているということも感じられ、ホームレス的な方への固定概念がいい意味でくつがえされるようにも感じました。
その他
1.Anonymous とは
たまに撮影者の名前の表記で Anonymous というのがありますが、これは英語で「匿名」という意味です。
2.一部のピンボケ写真について
アップで撮影された写真の中には、撮りたかったであろう画面中央のものがピンボケになっていて、それより後方の周囲のものにピントが合っているものがあります。
これはおそらく、最短撮影距離の問題だと思います。
レンズには最短撮影距離というものがあり、それより近くにあるものにはピントが合いません。
使い捨てカメラでは、スマホやデジタルカメラのように液晶画面で画像を確認しながら撮ることができません。
そのため、撮影する際に、つい近づき過ぎてしまったのだろうと思われます。