変わったコンセプトの、フィルムカメラによる写真集(「アイム Snapshots taken by homeless people.」)(2023/12/07更新)

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写真集「アイム Snapshots taken by homeless people.」とは

「アイム Snapshots taken by homeless people.」は、いわゆるホームレス的な方たちに使い捨てカメラ(※「写ルンです」)を渡して自由に写真を撮ってもらう、という、ユニークなコンセプトの写真集。

フィルム写真ならではの雰囲気や質感と、各撮影者の視点や身近にあるものなどが素直に表現されているさまが、なかなかに印象的な写真集でした。

構成について

構成的には、まず、撮影された写真が撮影者別に順番に掲載されており、すべての写真の掲載が終わった後の巻末に、各撮影者にインタビューした内容をまとめたもの(※これまでの人生や撮影意図、撮影しながら感じたこと、今の心境など)が写真の掲載順と同じ順番に掲載されています。そして一番最後に、フォトジャーナリスト安田菜津紀による解説が掲載されています(※「解説」といっても個別の写真などに関する解説ではなく、寄せる言葉的な感じです)。

読み方について

普通に前から順番に読んでいけばよいとは思いますが、どんな方が写真を撮っているのかが気になるという方は、おひとり分の写真を見終わるごとに巻末の個別インタビューの内容を確認してみるとよいでしょう。

また、最初に総論的な感じでとらえてから写真を見ていきたいという方は、巻末の解説を最初に読んでおくとよいかも知れません。

感想

いろいろなものへの距離感や、各地域で生活し慣れているからこその思わぬ角度からの視線など、印象的。

また、巻末のインタビューを読むと、それぞれの人生や状況があってそこに至っているということも感じられ、ホームレス的な方への固定概念がいい意味でくつがえされるようにも感じました。

その他

1.Anonymous とは

たまに撮影者の名前の表記で Anonymous というのがありますが、これは英語で「匿名」という意味です。

2.一部のピンボケ写真について

アップで撮影された写真の中には、撮りたかったであろう画面中央のものがピンボケになっていて、それより後方の周囲のものにピントが合っているものがあります。

これはおそらく、最短撮影距離の問題だと思います。

レンズには最短撮影距離というものがあり、それより近くにあるものにはピントが合いません。

使い捨てカメラでは、スマホデジタルカメラのように液晶画面で画像を確認しながら撮ることができません。

そのため、撮影する際に、つい近づき過ぎてしまったのだろうと思われます。

 

[将棋] 奇襲・棒金ではない阪田流向かい飛車(「振り飛車奇襲戦法2」)(2023/11/13更新)

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2023年10月の「NHK将棋講座」(※Eテレ「将棋フォーカス」内)で紹介された坂田流向かい飛車(講師は糸谷哲郎八段)(※段位は記事執筆時、以下同)。

講座では、棒金を主体とした変化球的な奇襲戦法として紹介されており、それは確かにそうなのですが、実は元々は持久戦系の戦法だったようです。

小林健二九段の著書「振り飛車奇襲戦法2」に記載があったのですが、角交換を3三金と取る形から、駒組みの中で3二金と引き、以下、4三銀、3三桂と進めるのが阪田流向かい飛車の原型だったのだとか。

同書の記述によりますと、

第5図になれば戦いにならず、低い布陣で長期戦に持ちこむことになる。つまり、阪田王将が好む力戦の手将棋で戦うことになる。(9ページより)

とのこと。

こちらの展開は、奇襲戦法とはまったく逆に、どちらも手が出しにくい将棋になるそうですが、阪田流向かい飛車への理解を深めたり、幅を広げるためにチェックしてみるのもよいかも知れません。

※同書では他に、奇襲系の阪田流向かい飛車として

  • 阪田流+筋違い角型
  • 阪田流棒金奇襲(5二金型)
  • 阪田流棒金奇襲(5二玉型)

そして阪田流以外に

  • 奇襲袖飛車
  • 相振り奇襲

が紹介されています。

(※表記について:「さかたりゅう」の表記は、坂田流、阪田流の両方あり、どちらかに確定しておりません。紹介された番組、書籍での表記に準じています)。

 

新創刊の次世代女性アイドルグラビア誌「ENTAME SPOTLIGHT 2023年 12 月号」

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アイドルカルチャー誌「ENTAME(エンタメ)」の増刊として新たに創刊された雑誌だそうです。

一応、全ページ見てみましたが、良さげな感じだったのでアフィリエイトリンクを貼っておきます。

[rakuten:book:21108625:detail]

内容的には、ほぼ、グラビアのみですので、とにかくグラビアに特化した作り、という印象の一冊です。

掲載されている方々は

  • 天羽希純(#2i2)
  • 津代美月(JamsCollection)
  • 由良ゆら(#よーよーよー )
  • 黒嵜菜々子(Peel the Apple
  • 佐山すずか(手羽先センセーション)
  • かぐら(MEWM)

の6名です。ちなみに( )内は所属しているグループ名です。

私はほぼ存じあげない方ばかりなのですが、良い感じの写真がいろいろあったように思いましたので、ご紹介させていただきました。

 

無理矢理ハッピーエンドは本当にいいことなのか? と考えさせられた短編児童文学(「灰色の服のおじさん」)(2023/11/02更新)

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「灰色の服のおじさん」は、スペインの児童文学者フェルナンド・アロンソの作品。

同名の児童文学の短編集に収録されており、日本では小学館から出版されています。

そんな短編の方の「灰色の服のおじさん」ですが、もの悲しい終わり方をする作品なのです――本来は……。

しかし、その続きにはこんな文章が……!

おじさんの物語は、これでおしまいです。

(中略)

けれども、多くの人は悲しい終わりが好きではありません。

その人たちのために、

おじさんを幸せにすることにしました……。

そしてそのあとに続くのは、それまでとはガラッと色合いが変わった展開とハッピーエンディング……。

おそらく作者は批評精神的なものも含めて、先にご紹介したような文章とそのあとの展開を書いたのでは、と思うのですが、木に竹を接いだような印象で、まんまと(?)

 

これでほんとうによかったのだろうか……

 

という思いに駆られてしまったのでした。

 

ブログタイトルとヘッダ画像を変更しました

1.ブログタイトルを

「幽光BOOK館」から

「こんな本、見かけました (幽光BOOK館) 」に変更しました。

 

2.ヘッダ画像を変更しました。

Homeo GrapherによるPixabayからの画像 

 

今後ともよろしくお願いいたします。

 

[将棋] 「知る、わかる、できる! 将棋・基本手筋」

書籍「知る、わかる、できる! 将棋・基本手筋」について

「知る、わかる、できる! 将棋・基本手筋」は、将棋のプロ棋士中座真(ちゅうざ まこと)七段の著書です。

まえがきによると、この本は

  • 将棋の基本的な手筋をまとめた一冊
  • 初心者の方が実戦で活用できる手筋を身につけられる内容を目指している

とのこと(大意)。

以下、全体の8割弱を読んでの感想ですが、実際にそういった本になっているような印象を受けました。

3段構えの分かりやすい構成

本書の特徴は、各手筋について3段構えで理解を深められるようになっているところです。

最初にテーマ図が掲げられ、それに基づいてその手筋の効果や注意点、実際に使う際の手順などが語られます。

次に類題が2問あるのですが、1問めは部分図、2問めは全体図と、段階を踏んで解いていけるようになっています。

そして最後に応用問題として、全体図を使ったより高度な問題が控えている、という形です。

この三段構えが、それぞれの手筋ごとにくり返されていく、という構成です。

収録されている手筋は、テーマ別に35個

私の数え間違いでなければ本書には35の手筋がとりあげられていますが、前半の第1章が「攻めの手筋」、後半の第2章が「受けの手筋」となっています。

そして各章の中で「駒得の手筋」「寄せの手筋」「攻めの速度を落とす」「攻防手」といった9つのテーマに分かれており、それぞれのテーマの中に「割り打ちの銀」や「底歩」といった個別の手筋が入っている、という形になっています。

こんな方におすすめ

基本的な手筋を身につけたい方や、手筋は知っているけれど実際の対局ではなかなか出せないといった方に良いのでは、と思います。

気になった点

読んでいて少し気になったのは、まれに問題の中に、初心者にとっては自力で正解にたどり着くのが難しいのでは、と感じるものがあったことです(主に一番最後の応用問題)。

正解にたどり着くためには、それ以外の手が不正解であると自力でわかる必要があるのですが、問題によっては

 ○○以下、長手順の詰みがあります

とか、

 手順は長いですが、先手玉は寄り形です

といったものがあり、それらをきちんと読み切れないと確信をもって正解にたどり着くことはできないので、初心者にとっては少しハードルが高い問題も含まれているような印象を受けました。

が、その点を差し引いても良書の類に入る一冊だと思いますので、興味を持たれた方はチェックしていただければと思います。

 

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『カメラマンリターンズ(#8)間違いだらけのレンズ選び!!&レンズBOOK 2023』

内容紹介

以前紹介したムック本『カメラマンリターンズ(#7)』の次の号です(2023年7月3日発行)。

今回はタイトルにもあるように、デジタルカメラの交換用レンズを中心に取り上げています。

メインとなるのは、交換用レンズについての座談会。

レンズメーカーごとに具体的な商品名を出しながら、実際に使用しての印象や、同系の他のモデルとの違いなどについて、個人のこだわり込みのトークが展開されています。

ニコン、キャノンといった主要メーカーの純正レンズだけでなく、シグマ、タムロンコシナケンコー・トキナーといったサードパーティーのレンズについての座談会も個別に設けられています。

また、「カタログスペックの読み解き方」「カメラ・写真業界の未来を語るかもしれない午後」といった座談会も掲載されており、興味深く読むことができます。

他にレンズの実写企画や最新カメラのインプレッションなどもあります。

おすすめの読み方

おすすめの読み方は前号の「#7」と同様、座談会に一通り、目を通しておくことです。

あるメーカーのレンズについて、別のメーカーの座談会の中で違う視点から語られている場合などがあるため、一通り目を通しておく方が、トータルな視点と情報を得られます。

 

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